月謝を上げても信頼される！習い事教室の上手な伝え方と文例

2025年10月27日

「月謝を上げたいけれど、どう伝えればいいのか分からない…」と悩んでいませんか。

最近では、物価や教材費の上昇を受けて多くの教室で月謝改定が行われていますが、伝え方次第で印象は大きく変わります。

この記事では、習い事教室の先生が保護者に安心して伝えられるよう、そのまま使える例文と言葉選びのコツをまとめました。

ピアノ教室・学習塾・英会話教室など、さまざまなシーン別のテンプレートを掲載しているので、状況に合わせてすぐ活用できます。

「値上げ＝信頼を深めるチャンス」に変える伝え方を、わかりやすく解説していきます。

習い事の月謝が値上げされる背景とは？

ここでは、最近多くの教室で起きている月謝の値上げについて、その背景や教室側の事情をやさしく解説します。

ニュースなどで「習い事の料金が上がっている」と聞いて不安に感じる方も多いかもしれませんが、実はその裏にはきちんとした理由があります。

一緒に、月謝改定の背景を理解していきましょう。

なぜ今、月謝の値上げが増えているのか

近年、さまざまな分野でコストが上昇しています。

習い事の世界でも例外ではなく、運営にかかる費用が以前より高くなっているのです。

例えば、教室で使う教材やプリントの紙代、照明や空調の電気代、そして会場の使用料など、どれも少しずつ上がっています。

こうしたコスト上昇は、教室の努力だけでは吸収しきれないレベルに達していることが多いのです。

主なコスト項目	値上がりの理由
教材・印刷物	用紙やインク、教材制作コストの上昇
光熱費	電気・ガス料金の上昇
教室賃料	都市部を中心に上昇傾向

保護者に誤解されやすい「値上げの本当の理由」

値上げと聞くと「利益を増やしたいのかな」と思う方もいるかもしれません。

しかし、実際の理由は「より良いレッスン環境を維持するため」であるケースがほとんどです。

先生方は、子どもたちが快適に学べるように教材を更新したり、レッスン時間を見直したりと日々工夫を重ねています。

つまり、値上げは「品質を守るための必要な判断」であり、決して手を抜くためのものではありません。

教室運営者が抱える現実と葛藤

一方で、教室を運営する側も簡単に値上げを決めているわけではありません。

「負担をかけてしまうのでは」と悩み、何度も検討を重ねている方がほとんどです。

中には、ギリギリまで料金を据え置きにして頑張ってきた教室も多いでしょう。

それでも最終的に値上げを決断するのは、生徒さんに「これからも質の高いレッスンを届けたい」という想いがあるからです。

教室側の葛藤	具体的な内容
保護者への配慮	急な変更で不安を与えないよう慎重に検討
運営の継続性	長く教室を続けるために必要な判断
品質維持	講師の研修や教材更新のためのコスト確保

このように、月謝値上げの背景には単なる経済的な理由だけでなく、教室をより良くするための前向きな意図が隠れています。

次の章では、こうした値上げを「どう伝えるか」に焦点を当てて、保護者との信頼関係を崩さずにお知らせする方法を解説します。

値上げを伝える前に知っておきたい基本マナー

月謝の値上げは、どんなに理由があっても伝え方を間違えると誤解を招きやすいものです。

この章では、保護者との信頼関係を保ちながら、スムーズに理解してもらうための伝え方のコツを解説します。

「誠実」「安心」「前向き」の3つの要素を意識することで、印象が大きく変わります。

信頼を失わない伝え方の3原則

値上げを伝えるときに大切なのは、単なる事務的な告知ではなく気持ちの伝わるコミュニケーションです。

そのための3つの原則は以下の通りです。

原則	ポイント
①感謝を伝える	まず「いつもありがとうございます」の一言を入れる
②理由を明確にする	値上げの背景を正直に説明し、納得感を与える
③未来を示す	これからのサービス向上や改善を具体的に伝える

この3原則を守ることで、「値上げ＝負担」ではなく「価値の向上」として理解されやすくなります。

いつ・どのように伝えるのが最適か

タイミングと方法も大切なポイントです。

突然のお知らせは驚かせてしまうため、最低でも1か月前には伝えるのが理想です。

形式は、教室によって「手紙」「メール」「LINE」「掲示板」などさまざまですが、保護者全員が確実に見られる方法を選びましょう。

また、個別にフォローできるように、質問を受け付ける窓口を設けるのも安心です。

伝達方法	おすすめの使い分け
手紙	正式な告知。誠意を伝えやすい。
メール・LINE	スピーディーに伝達できる。詳細は添付やリンクで補足。
掲示やSNS	全体共有に便利。ただし詳細説明は別途必要。

急な告知や曖昧な説明は、最も避けたいNGパターンです。

早め・丁寧・誠実に伝えることが、信頼を保つ最大のコツです。

「誠実さ」と「前向きさ」を両立するコツ

値上げの告知では、文章のトーンも重要です。

たとえば「申し訳ございません」という言葉を入れるのは大切ですが、それだけだと暗い印象になります。

そのため、最後は前向きなメッセージで締めくくるのがおすすめです。

具体的には、以下のような言い回しを使うと好印象です。

NG表現	おすすめ表現
ご迷惑をおかけします	より良い環境づくりのため、ご理解をお願い申し上げます
苦渋の決断ですが	これからも質の高いレッスンを継続するための判断です
申し訳ございません	今後もより良い指導をお届けできるよう努めてまいります

「申し訳なさ」よりも「前向きな姿勢」を伝えると、読後感がやわらかくなります。

次の章では、実際に使える例文をジャンル別に紹介します。

そのまま使えるフルバージョンの文例も掲載しますので、シーンに合わせて活用してください。

【フルバージョン例文】月謝値上げのお知らせ文テンプレート集

ここでは、実際に使える「月謝値上げのお知らせ文」をシーン別に紹介します。

ピアノ教室、学習塾、LINEやメールでの連絡、そしてSNS・ホームページでの簡潔な告知例まで幅広く用意しました。

そのままコピペして使える形式なので、言葉選びに迷ったときの参考にしてください。

ピアノ教室・音楽教室で使える正式手紙例文（全文）

まずは、丁寧な印象を与えたい方向けの正式文例です。

プリントや手紙で配布する際にそのまま使える構成になっています。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

平素より〇〇ピアノ教室のレッスンにご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。

このたび、レッスン運営に関わる諸経費の上昇に伴い、誠に心苦しいのですが、〇月より月謝を改定させていただくこととなりました。

今回の改定は、より充実したレッスン環境を整え、お子様一人ひとりの成長をより丁寧にサポートするためのものです。

新しい料金は以下の通りです。

改定前改定後改定時期

7,000円 7,700円〇年〇月より

これからも、音楽を通してお子様の可能性を広げられるよう、より一層努力してまいります。

何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

〇〇ピアノ教室　講師　〇〇〇〇

――――――――――――――――――――――――――――――――――

改定前	改定後	改定時期
7,000円	7,700円	〇年〇月より

ポイント： 冒頭で感謝を伝え、理由→金額→前向きな締めという順で構成するのが理想です。

学習塾・英会話教室の文例（全文＋短縮版）

次は、学習塾や英会話教室などで使えるややフォーマル寄りの例文です。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

平素より〇〇学習塾をご利用いただき、誠にありがとうございます。

昨今の教材費・施設維持費の上昇により、誠に恐縮ながら〇月より月謝を一部改定させていただきます。

改定内容は以下の通りです。

学年改定前改定後

小学生 8,000円 8,500円

中学生 10,000円 10,500円

今後も指導の質をさらに高め、より良い学習環境を提供できるよう努めてまいります。

ご理解のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

〇〇学習塾　代表　〇〇〇〇

――――――――――――――――――――――――――――――――――

学年	改定前	改定後
小学生	8,000円	8,500円
中学生	10,000円	10,500円

短縮版をメールやLINEで使う場合は、以下のようにまとめるとスムーズです。

〇〇学習塾です。〇月より教材費などの上昇に伴い月謝を改定いたします。

詳細は教室掲示または配布資料をご覧ください。

引き続きご理解のほどよろしくお願いいたします。

LINE・メールで使えるカジュアル文例（そのままコピペOK）

スマートフォンでのやり取りが多い教室では、簡潔で誠実なメッセージが好まれます。

いつも〇〇教室の活動にご協力いただきありがとうございます。

〇月より月謝を一部改定させていただくことになりました。

改定後の金額：〇〇円 → 〇〇円

詳細は配布資料またはメールにてご案内いたします。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

〇〇教室

短い文章でも、「感謝＋理由＋前向きな言葉」の3要素を意識することで印象が格段に良くなります。

SNSやホームページでのお知らせ例文

SNSやホームページで公に告知する際は、内容を簡潔にまとめながらも、誠実な印象を保つことが大切です。

【月謝改定のお知らせ】

平素より〇〇教室をご愛顧いただき誠にありがとうございます。

運営コストの上昇に伴い、〇月より月謝を改定させていただくこととなりました。

今後もより良いレッスンをお届けできるよう、スタッフ一同努力してまいります。

引き続きのご支援を賜りますようお願い申し上げます。

媒体	文体のポイント
公式サイト	丁寧・説明的な文体。金額や日付を明記。
SNS	簡潔で読みやすく。詳細はリンク先に誘導。
LINE公式アカウント	メッセージ＋画像やリンクで補足。

どの形式でも共通して大切なのは、一方的に伝えるのではなく、相手の理解を前提に言葉を選ぶ姿勢です。

次の章では、これらの例文をより良くするための「言葉選び」や「感謝の伝え方」の工夫を紹介します。

例文から学ぶ「印象を良くする言い回し」

同じ内容を伝えるにも、言葉の選び方一つで印象は大きく変わります。

この章では、保護者の心に届く「やわらかく」「誠実で」「前向きな」言い回しのコツを紹介します。

たとえば「値上げ」という言葉を、もう少し自然で受け入れやすい表現に変えるだけで、読後の印象がまったく違ってきます。

避けるべきNGフレーズと改善例

まずは、よく使われるけれど誤解されやすいフレーズを整理してみましょう。

ほんの少し言い回しを変えるだけで、ぐっと温かみのある表現になります。

NG表現	改善例
値上げいたします	月謝を改定させていただきます
ご負担をお願いすることになります	ご理解をお願い申し上げます
苦渋の決断ですが	より良い環境づくりのための判断です
ご了承ください	ご理解のほどよろしくお願いいたします
料金を変更します	新しい料金体系に移行いたします

「お願い」や「ご理解」という言葉を中心に据えると、丁寧でやわらかい印象になります。

感謝と誠意を伝えるフレーズ集

次に、どんな状況でも使える「感謝」と「誠意」を表すフレーズを紹介します。

これらは、文章の冒頭や締めくくりに入れると効果的です。

用途	おすすめフレーズ
冒頭で感謝を伝える	日頃より〇〇教室をご利用いただき、誠にありがとうございます。
理由を説明するとき	より良いレッスン環境を維持するため、料金を見直すことといたしました。
締めの言葉に添える	今後もお子様の成長を全力でサポートしてまいります。
理解を求めるとき	大変恐縮ではございますが、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
前向きな締めくくり	これからもより一層のご支援をいただけますと幸いです。

感謝＋目的＋未来の流れを意識すると、自然で信頼感のある文になります。

これは、どんな業種の案内文にも応用できる「万能テンプレート」です。

「申し訳なさ」より「前向きな姿勢」を伝える言葉選び

値上げを伝える際に「申し訳ない」という言葉を入れたくなるのは自然なことです。

ただし、何度も使うと重たい印象になるため、1回程度にとどめておきましょう。

その代わりに、以下のような前向きな言葉を添えると、全体のトーンがやわらぎます。

表現目的	おすすめの言い換え
前向きに伝える	これまで以上に充実したレッスンを目指してまいります。
安心感を与える	これまでと変わらぬ丁寧な指導を続けてまいります。
誠実な印象を与える	率直にお伝えしたく、このようなご案内を差し上げました。

謝罪の言葉よりも、「努力」「継続」「改善」をキーワードにした表現が、保護者の共感を得やすいです。

相手の立場を尊重しつつ、前向きな姿勢を伝える。 それが信頼を損なわずに値上げを伝える一番の近道です。

次の章では、実際に値上げ後に送るフォロー文や、問い合わせ対応で使える返信例文を紹介します。

値上げ後のフォロー文・追加連絡の例文集

月謝値上げの連絡を終えたあとも、フォローの一言を添えるだけで印象が大きく変わります。

この章では、改定後に送る「フォロー手紙」や「質問への返信」、「信頼を深める追加メッセージ」の例文を紹介します。

値上げを“終わり”ではなく“新しい関係の始まり”に変えるための文章術を意識してみましょう。

値上げ後に送るフォロー手紙の例文

値上げ後の最初の月や学期のタイミングで、感謝と今後の方針を伝えると信頼が深まります。

以下は、実際に使える全文テンプレートです。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

いつも〇〇教室をご利用いただき、誠にありがとうございます。

このたびの月謝改定に際しまして、ご理解とご協力を賜りましたことを心より感謝申し上げます。

新しい環境のもと、これまで以上にレッスン内容の充実を図り、お子様の学びがさらに深まるよう努めてまいります。

今後も変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

〇〇教室　講師〇〇〇〇

――――――――――――――――――――――――――――――――――

この文例では、値上げ後も「前向きに取り組む姿勢」と「感謝の気持ち」を中心に据えています。

構成のポイント	意図
感謝を先に伝える	理解に対する感謝を明確にする
今後の方針を示す	改定の意義を再確認して安心感を与える
継続のお願い	信頼関係を保ち、長期的な関係を築く

保護者から質問が来たときの返信文例

値上げ後には、「なぜこのタイミングで？」「他のコースも上がるの？」といった質問をいただくことがあります。

そんなときに使える、誠実で落ち着いた印象の返信例を紹介します。

〇〇様

お問い合わせいただきありがとうございます。

今回の月謝改定は、より良いレッスン環境を維持するために必要な調整でございます。

ご負担をおかけいたしますが、今後も丁寧な指導を続けてまいりますので、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

〇〇教室

質問への返信では、理由を繰り返すより「感謝＋誠実さ」で返すのがポイントです。

感情的にならず、落ち着いたトーンで書くと信頼感が伝わります。

今後の信頼を深めるためのメッセージ例

値上げをきっかけに「教室の姿勢」をもう一度伝えると、長期的な関係づくりにつながります。

以下のようなメッセージを、LINEや月初の通信などで添えるのもおすすめです。

【メッセージ例】

このたびは月謝改定にご理解をいただき、ありがとうございます。

これからもお子様の成長を一緒に見守り、日々のレッスンを大切にしてまいります。

何かお気づきの点がありましたら、どうぞお気軽にお知らせください。

〇〇教室

伝えたい要素	表現のコツ
感謝	改定後も支えてくれることへの感謝を伝える
姿勢	「努力」「継続」「丁寧さ」をキーワードにする
安心	「引き続き」「これからも」といった継続ワードを使用

フォローの言葉を添えるだけで、「値上げ＝終わり」ではなく「信頼の継続」として印象づけることができます。

次の章では、これまで紹介した内容を踏まえて「まとめ」として、値上げをポジティブに伝えるための心構えをお伝えします。

まとめ：月謝値上げは「信頼を育てるチャンス」

ここまで、習い事の月謝値上げに関する背景や伝え方、実際に使える例文を紹介してきました。

多くの方が「値上げ＝ネガティブなもの」と捉えがちですが、実は伝え方次第で大きく印象を変えることができます。

誠実に伝えれば、それはむしろ信頼を深める機会になるのです。

伝え方次第で保護者との関係が深まる

月謝の改定は、保護者にとっても気になる話題です。

しかし、「なぜ」「どのように」「どんな目的で」という点を明確に伝えれば、多くの方は理解を示してくれます。

たとえば「お子様により良い環境を提供したい」という目的が伝われば、それは単なる金額変更ではなく、前向きな取り組みとして受け止められます。

伝え方	保護者の受け取り方
事務的・無機質	不安や不信感を与える
感謝と誠実さを重視	理解・共感を得やすい
目的を明確に説明	納得感と安心感が高まる